浦和地方裁判所 平成8年(わ)1256号 判決
被告人(一)
商号
株式会社望月塗装
(代表者代表取締役望月清)
本店所在地
埼玉県大里郡妻沼町大字妻沼五一三番地一
被告人(二)
氏名
望月清
年齢
昭和二四年五月一六日生
本籍
埼玉県大里郡妻沼町大字妻沼五一三番地一
住居
右同
職業
会社役員
検察官
小口太郎
弁護人
市川幸水(主任)、南雲芳夫
主文
被告人株式会社望月塗装を罰金四〇〇〇万円に、被告人望月清を懲役二年にそれぞれ処する。
被告人望月清に対し、この裁判の確定した日から四年間その刑の執行を猶予する。
理由
(犯罪事実)
被告人株式会社望月塗装(以下、「被告会社」という。)は、建築塗装の請負等を営業の目的とする会社、被告人望月清(以下、「被告人」という。)は、被告会社の代表取締役として被告会社の業務全般を統括しているものであるが、被告人は、被告会社の業務に関し法人税を免れようと企て、外注加工費の架空計上などの不正な方法により所得を秘匿した上、
第一 平成四年三月一日から平成五年二月二八日までの事業年度における被告人会社の実際所得金額が一億三〇八五万六七六八円であったにもかかわらず、同年四月三〇日、埼玉県熊谷市仲町四一番地所在の所轄熊谷税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が一六五三万三三七七円でこれに対する法人税額が五四三万九八〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、被告会社の右事業年度における正規の法人税額四八三一万一〇〇〇円と右申告税額との差額四二八七万一二〇〇円を免れ、
第二 平成五年三月一日から平成六年二月二八日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が二億〇一三一万五四八六円であったにもかかわらず、同年五月二日、前記熊谷税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が一六八七万四九九〇円でこれに対する法人税額が五五六万七七〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、被告会社の右事業年度における正規の法人税額七四七三万三一〇〇円と右申告税額との差額六九一六万五四〇〇円を免れ、
第三 平成六年三月一日から平成七年二月二八日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が二億〇一四六万七四〇四円であったにもかかわらず、同年五月一日、前記熊谷税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が一五六七万六二六九円でこれに対する法人税額が五一一万八五〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、被告会社の右事業年度における正規の法人税額七四七九万〇一〇〇円と右申告税額との差額六九六七万一六〇〇円を免れ
たものである。
(証拠)
一 被告人の当公判廷における供述
一 被告人の検察官に対する供述調書一六通
一 熊谷税務署長作成の回答書
一 収税官吏(大蔵事務官)作成の給料調査書、支払手数料調査書、外注加工費調査書、交際接待費調査書、消耗品費調査書、交際費の損金不算入額調査書、福利厚生費調査書、現場経費調査書、貸倒損失調査書、事業税認定調査書及び代表者勘定調査書
一 中村廣悦に対する収税官吏(大蔵事務官)の質問てん末書二通
一 菊池康廣、加賀勝利、生沼清、辰匡亮、佐々木芳幸、高橋仁及び望月朋子の検察官に対する各供述調書
(適条)
一 被告会社について
罰条 法人税法一六四条一項、一五九条一項、二項
併合罪の処理 刑法四五条前段、四八条二項
二 被告人について
罰条 法人税法一五九条一項
刑種の選択 懲役刑
併合罪の処理 刑法四五条前段、四七条本文、一〇条
(犯情の最も重い判示第三の罪の刑に法定の加重)
刑の執行猶予 刑法二五条一項
(情状)
被告会社は、三事業年度にわたり、合計一億八一七〇万八二〇〇円の法人税額を免れ、その平均ほ脱税率は、約九一・八パーセントに及んでいる。被告会社及び被告人の責任は極めて重いといわざるを得ない。
他方、被告会社は、右三事業年度分について修正申告を行い、合計一億九二八〇万八三〇〇円を納付した。これは、本件ほ脱税額より約一一〇〇万円多い金額である。被告人は、重加算税及び延滞税合計約一億〇一八〇万円については、何とか金銭を工面して納付する旨述べている。
以上の諸情状を主として考慮し、主文のとおり、刑を定めた。
(求刑 被告会社につき罰金五〇〇〇万円、被告人につき懲役二年)
(裁判官 肥留間健一)